後遺障害10級 2800万円獲得(争点・慰謝料,若年者の逸失利益,自宅改造費,過失割合)

事故の状況

 Aさんは,バイクに乗り,十字路に差し掛かりました。Aさんは,直進するために十字路に進入すると,対向車線から進行してきた自動車が右折をしてきて,Aさんのバイクに衝突しました。

弁護士の活動

 Aさんは,事故により,骨折を伴う重傷を負い,当初から,股関節等の後遺障害が見込まれるほどの傷害を負いました。

 Aさんは,若年であり,入院中であったため,Aさんのご両親が,法律相談にいらっしゃいました。Aさんが,適正な賠償を受けられるかご不安とのことでした。
 弁護士は,事故状況やAさんの怪我の状況などを確認するため,Aさんが入院する病院に赴き,病院で,ご本人,ご両親とともに法律相談を行いました。

 Aさんの治療は,1年半ほどに及びました。その間の相手方保険会社との連絡は,弁護士が窓口となって行いましたので,Aさんには治療に集中してもらい,Aさんのご両親には,Aさんのサポートや日常生活に支障が出ないようにしました。

 Aさんの治療終了時,障害が残ってしまいましたが,自賠責保険の調査では,これに見合う,10級の等級認定を受けることができました。

 そのうえで,弁護士から,相手方保険会社に対して,損害賠償の請求をしました。

 まず,Aさんは,今後も,定期的に通院をしなくてはならなくなりました。そこで,後遺障害慰謝料について,後遺障害等級10級の基準となる金額に加えて,将来的にも治療を余儀なくされる障害であることを,医療記録とともに主張し,交渉しました。その結果,一般的な基準よりも1割増額した金額の賠償を受けることができました。

 次に,逸失利益について,Aさんは,20代半ばの若年者です。そこで,事故前の収入よりも,今後,収入が増額する可能性が高いと主張し,事故前の年収から増額した金額を基礎年収として算定し,請求しました。当初,保険会社の回答は,一応,事故前の年収を上回る基礎年収を認定したものでした。しかし,それでも,事故がなかった場合を想定した,Aさんの収入と比べると,不十分な額であると考えられたため,交渉を継続しました。最終的には,当初の保険会社の回答よりも,更に増額した金額を基礎年収として,逸失利益の賠償を得ることができました。

 また,歩行や転倒に懸念が残る,Aさんの症状のために,自宅は,バリアフリー化のために改造工事をしました。当初,相手方保険会社は,全額を損害として認めなかったものの,弁護士は,特に必要である,改造工事の内容をAさんの症状に照らして説明し,交渉の末,一部の工事費については賠償を受けることができました。

 過失割合についても,基本割合としては,15%の過失がAさんに認められるものですが,今回の事故の状況を具体的に指摘し,基本割合よりも10%,Aさんに有利な過失割合で示談することができました。

弁護士のコメント

 今回の交通事故により,20代半ばのAさんは,将来にわたる長期間,後遺障害のために不自由な生活を余儀なくされることになります。Aさんが今後の生活をおくるうえで,可能な限り,十分な補償を受けるため,粘り強く交渉をしました。
 そして,交渉の末,当初の保険会社回答額から300万円以上の増額を獲得することができました。