【住居侵入】住宅敷地内への立入り 不起訴
事件の内容
Aさんは,飲酒後の帰宅中,前方を歩いていた被害女性のことが不意に気になり,女性の後を付け,その自宅の敷地内に立ち入ってしまいました。
女性の家族がAさんのことに気付き,Aさんの後を追いかけて捕まえました。間もなく,現場に駆けつけた警察官により,Aさんは逮捕されました。
Aさんは逮捕されたものの,勾留されなかったため,釈放されましたが,女性への被害弁償や今後の捜査対応が不安になり,法律相談に来られました。
弁護士の活動
まず,弁護士は,検察官を通じ,被害女性の了承を受け,女性の連絡先の開示を受けました。
弁護士から女性に対し,Aさんの謝罪の意や賠償金の支払等の話をしましたが,被害女性の求める条件が実現困難なものであったため,示談の成立は望めませんでした。
それでも,可能な限り,不起訴処分を得る可能性を高めるため,弁護士から検察官に対し,不起訴処分を求める意見書を提出しました。意見書では,Aさんの行為や動機を説明し,それが悪質とまではいえないことや,今後,万が一にも被害女性に会うことがないように交通経路を変更したり,起訴された場合の会社での懲戒処分によるAさんおよび家族への不利益などを伝えました。
結果
その後,弁護士から検察官に対し,Aさんの処分を確認したところ,不起訴処分となりました。
自身にとって有利な事情を自ら警察官や検察官に対し伝えることは,反省していないのではないかと思われることを気にして,なかなか難しいこともあります。
弁護士がそのような事情を聴き取り,不起訴処分を求める意見書や資料を検察官に対し提出することで,それらの事情を考慮した処分がなされる場合があります。