後遺障害14級 保険会社提示額から80万円増額(争点・休業損害,慰謝料)
事故の状況
Aさんは,工事現場の作業員として,働いていました。
Aさんが勤務中に,現場作業をしていると,工事用の車両に衝突され,怪我をおいました。
弁護士の活動
Aさんが,法律相談に来られた時点で,後遺障害14級が認定され,相手方保険会社から賠償額の提案も受けていました。
Aさんは,その提案額が妥当か不安であるため,相談に来ました。
弁護士が,Aさんに対する保険会社からの提案額を確認すると,増額の余地があると考えられたため,Aさんから依頼を受け,保険会社との交渉を開始しました。
まず,休業損害について,実際に会社を休んでいた期間よりも,短い期間の休業損害の賠償提案しかされていませんでした。これは,実際の治療期間の途中で,症状固定がされたと保険会社が判断したため,症状固定後の休業損害が賠償額に反映されていないためでした。
そこで,弁護士は,診断書や医療照会などの医療記録をもとに,症状固定時期を争いました。
また,休業損害の日額に関しても,通常,事故前3か月間の平均賃金をもとに,算出することが一般的にですが,今回の場合,事故前3か月のなかに夏季休暇が含まれているため,平均賃金が低く算定されていました。そこで,弁護士は,夏季休暇がない場合の休業損害を推計し,増額の請求をしました。
その結果,当初より増額した休業損害の支払いが認められ,傷害慰謝料や後遺障害慰謝料などの増額も認められました。
弁護士のコメント
保険会社からの賠償の提示額は,弁護士が算定する,妥当な金額を下回ることが多いのが実情です。そのため,示談をする前に,一度,弁護士に相談することをお勧めします。
本件も,長期間の休業を余儀なくされ,後遺障害が残るほどの怪我を負ったにもかかわらず,賠償の提案額が不十分であったことから,増額の交渉をし,これが認められる結果になりました。