【傷害】示談成立・宥恕・立件なし

相談内容

 Aさんは,タクシーの並び順を巡って,他の行列客とトラブルになりました。Aさんは,飲酒して,気が大きくなっていたこともあり,被害者に対して,襟首をつかんだり,小突くなどの暴行を加えてしまいました。

 その場で,警察官が駆け付け,Aさんは,後日,警察署に呼び出しを受けることになりました。

 Aさんは,自身の行為を反省し,被害者の方と示談をしたいということで,法律相談に来られました。

弁護士の活動

 弁護士は,被害者と示談をすべく,担当警察官に連絡し,被害者の連絡先の開示の可否を,被害者に確認するよう依頼しました。被害者の方から,Aさんに連絡先が伝わらないのであればという条件付きで,弁護士限りで連絡先を開示することに了承していただき,弁護士から,被害者の方に連絡を差し上げました。

 弁護士は,被害者の方に会いに行き,Aさん作成の謝罪文を渡してAさんの反省の気持ちを伝えたり,治療費や慰謝料等の賠償の提案をいたしました。被害者の方から,その場で,おおむね合意いただき,後日,弁護士から被害者の方に,示談書を送り,正式に示談が締結されました。

 また,被害者の方から,Aさんの行為を許すこととし,刑事手続きがこれ以上進むことも希望しないという意向も示してもらうことができました。そして,これらの意向も示談書に記載することを了承いただきました。

結果

 弁護士から,警察署に対し,示談書を送付し,示談が成立したことを報告したところ,本件については,立件なしということで終結いたしました。

 暴行や傷害事件等,被害者の方がいる刑事事件では,示談をすることが,処分を軽くするうえで,とても有効です。

 ただし,被害者の方は,加害者の方に連絡先が知れることは避けたいと考えることが多いです。本件でも,被害者の方は,個人情報がAさんに伝わることは絶対にやめてほしいとお考えでした。弁護士がAさんの代理人として,示談交渉ができたため,示談を成立させることができたといえます。